「親が決める」が大事
昨日はウークイ。読者の皆さんはどのような旧盆を過ごされただろうか。代々のご先祖様が築き上げ、受け継いできたこの平和で豊かな時代。皆さんとともに改めて感謝の気持ちをご先祖様にささげたい。
さて、前回は相続でもめて財産を失うようなことがないように、財産の棚卸しをして整理すべき財産を見つけ出すこと、それを優良な財産(=守る財産)に組み替え、さらに増やしていくことで次世代の不安を解消することなどをお伝えした。今回は、家族が集まるお盆だからこそぜひ皆さんで考えてみていただきたい、家族がもめない財産の分け方についてお伝えする。
もめない分け方の最大のポイント、それは、財産を渡す側であるお父さんまたはお母さんが分け方を決めるべきだということだ。
相続の際に子どもたちが分け方を話し合うとなるとなかなか折り合いがつかずにもめてしまい、結果として財産を減らしてしまうことが往々にしてある。皆さんは当たり前のように思うかもしれないが、実際にはこのパターンでもめている家庭がいかに多いことか。もめてしまった人たちに聞いても、まさかうちがもめるとは思いもしなかった、と言う人ばかりである。
クリスマスのプレゼントをイメージしてほしい。テーブルの上に大きな箱と小さな箱を置いて、子どもたちに好きなプレゼントを取りなさいと言う。ほとんどの子どもは中身も分からないのに大きな箱を取ろうとして兄弟げんかになってしまう。
けんかをさせないためには、それぞれのプレゼントに子どもたちの名前を書いておけば、いきなり取り合いでもめることはないだろう。
単純なことではあるが、相続でも同じことが起きているのである。兄弟げんかをさせないためにはプレゼントに名前を書いておく、すなわち財産を引き継ぎなさいと公正証書遺言書などにきちんと書いておけば、相続の際に取り合いが起こりにくくなる。
とはいえ、子どもたちにとって納得のいく分け方や理由を用意しておくことももちろん必要だ。そのためにも負の財産を減らして優良財産(守る財産)を増やすことや、財産の分け方が難しい時には家族信託という手法を使って均等な分け方を組み立てるといったことも考えていく必要がある。
ウークイの昨日。ご先祖様に感謝しつつ、財産を減らさずに子や孫の代まで経済的に繁栄できるような、幸せ相続計画を考えてみてはどうだろうか?