予測と分析が重要に
次々とオープンする新しいホテル、県内市場についに参入する大手コンビニ、増える滑走路、モノレールの延伸、大型商業施設のオープン等々、観光を軸に経済が活性化し、明るいニュースに事欠かせない最近の沖縄。県外や海外からの投資の動きも活発だ。
このような華やかなニュースに気持ちを動かされ、投資に関心を持ち始めた県民の皆さんも増えてきているように思う。水を差すつもりはないが、子や孫の代までの幸せのために、投資については明確なビジョン、すなわち分析を基にした確かな計画を持って臨んでいただきたい。
原因や背景については当コラムでも何度か触れてきたと思うが、今年に入り、不動産投資における銀行融資が厳しくなってきたという話が多方面から聞こえてくるようになった。今までは自己資金なしで買えたはずの投資物件が、自己資金を2割程度求められるようになって買えなくなってしまっているという相談も受けている。
私はこれをようやく市場が正常に戻りつつあるのだと考えている。
本来、投資は金融でも不動産でも出口があって初めて良しあしの判断ができる。つまり、売却した時の利益とそれまでの収入とが投資分析の材料となるのだが、日本では一般的に不動産が長期保有される傾向にあり、投資物件としての良しあしの判断がされないまま次世代へと引き継がれていっている。
金融商品での運用だと基本的に自己資金で運用するので利回りが分かりやすいのだが、不動産だと目先の収入だけを見て、効率よく利益が出たのか、投資が成功したのかを理解していない人が多いのが現実だ。
銀行融資が厳しくなってきた時期だからこそ、不動産価格に影響をもたらす人口動向等(マーケット)を加味して出口(売却)のタイミングと価格を予測すること、そして投下する自己資金をいかに効率よく増やせるかを分析できることが、投資を考える人にとって必要である。
どのような形であれ投資は自己責任である。これからの時代は、分析をして出口のタイミングと利益を計算できる人しか財産を残せない。不動産を扱う企業も、分析結果を踏まえた提案をできないとお客さまから信頼されない時代になるだろう。
次回から出口の考え方、不動産の法人化、これからの投資先などについてお伝えしていきたい。