合格?不合格?不動産投資における自己資金

自己資金 判断基準

 前回に続いて不動産投資における最適な自己資金額の考え方についてお伝えする。今回は借入償還余裕率についてもさらに詳しく。


 借入償還余裕率とは、簡単にいうと年間の利益(営業純利益)を返済額(元利金返済額)で割ったもの。借入金返済の余裕や安全性を判断する基準となる。


 例として、総投資額1億400万円の物件で考えてみる。年間の総収入が756万円(表面利回りや約7.27%)、管理費や固定資産税、修繕費、火災保険、水熱費、空室損などを差し引いた純利益が598万円あるとする。金融期間の融資条件が金利1.85%、返済期間30年で購入できる前提で、自己資金を(1)2千万円 (2)900万円 (3)200万円一とした場合の比較で、「借入償還余裕率」と「投資(自己資金)回収にかかる時間」について計算してみる。


 (1)の自己資金が2千万円の場合、借入額は8400万円になるので年間返済額は約365万円。借入償還余裕率は純利益598万円÷年間返済額365万円で1.64となり、安全基準ともいえる1.4以上なので自己資金額の適正としては「◎」。


 一方、投資回収期間から見るととうなるか? 純利益がら年間返済額を引いた手残り額は約233万円。自己資金回収にかかる年数は2千万円÷233万円で8.58年となる。投資の考え方からすると自己資金は5年以内に回収できるようにしたいのだが、このケースは5年を超えてしまっているので自己資金額は適正としては「△」。


 (2)の自己資金900万円の場合、借入額が9500万円で年間返済額が約413万円。借入償還余裕率は純利益598万円÷年間返済額413万円で1.44。1.4以上になるので「◎」。


 手残り額は約185万円なので自己資金回収年数は900万円÷185万円=4.87年で、5年以内となるので「◎」。


 (3)の200万円の場合、借入金が1億200万円で年間返済額約443万円。借入償還余裕率は純利益598万円÷年間返済額443万円で1.34で1.4以下なので「△」。


 手残り額が約155万円で、自己資金回収年数は200万円÷155万円=1.29年で、5年以内なので「◎」。


 このように、自己資金が多すぎても少なすぎても投資としては合格とはいえないので、多角的な分析が必要となる。「手元に資金があるからできるだけ多くの自己資金を入れる」も、「自己資金がないからできるだけ借り入れを多くする」も、どちらも投資としては少し考えが足りないと言える。


#亀島淳一

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