自己資金の最適化を
今年に入って、いよいよ沖縄の不動産市況も目に見えて変化し始めている。昨年までは、築古賃貸マンションや軍用地といった投資用不動産についても、自己資金がなくても融資を受けて購入できていたが、最近は投資用不動産に関する融資が沖縄県内でも明らかに厳しくなってきている。
投資を考える方は、融資が厳しくなくなったことを単純に悲観していてはいけない。融資がつきにくくなると物件が簡単に売れなくなるため、売り手側はより売りやすいように価格や利回りなどの条件を変えざるを得ない。これから3~5年の間に投資物件の「価格が下がる」=「利回りは上がる」局面になると思われる。それはすなわち、買い手側からすると「投資のチャンス」=「買い時が訪れる」ということになる。
まさに好機ともいうべき買い時を逃さないために、準備をしておく必要がある。まず第一に自己資金だ。自己資金があると金融機関もリスクを下げた融資ができるので良い物件を買うことができる。
では、自己資金はどれくらい準備したらよいのか?例えば1億円の物件を購入したいとして、自己資金を20%=2千万円を投入して購入するとする。これだけ自己資金があれば融資もつきやすいだろうが、投資的な目線でいうと100点満点中50点くらいか。確かに自己資金比率が高いと賃貸リスク軽減につながるが、投資分析の観点からいくと考えが足りないということになる。利益の最大化ができていないからだ。
自己投資の比率を最適化することで投資効果を最大化できることを覚えておこう。最適な自己資金比率は、回収期間から求める方法と、借入償還余裕率から計算して求める方法とがある。
金融投資も不動産投資も投資額(自己資金)に対して売却した時にどれだけ利益を出したかという考え方がポイントになるが、不動産投資については長期譲渡になる6年目で売却することを前提に分析する。計算方法は下図の通り。自己資金回収期間が5年以内になるように設定して逆算し、最適な自己資金比率を求める。
回収期間が6年以上になる場合は、借入償還余裕率(1.4)で純収益を割った時に出る金額が年間返済額になるので、想定利回り、想定返還期間を設定して借入可能額を逆算し、1億に足りない金額を自己資金として投入すると最適化できる。
次回は不動産購入に向けた自己資金の準備の方法をお伝えする。