発展進むフィリピン
フィリピン、べトンム、インド、インドネシアなど新興国の発展に注目が集まっている。不動産にせよ株式にせよ、投資・資産運用を考える際に海外のマーケットも選択肢として取り入れていくことは、投資の最適化やリスク分散のためにも必要だ。
注目の集まる新興国の中でも、今回は特にフィリピンについて、先日実際に視察してきた雑感も含めてお伝えする。
フィリピンの発展の可能性については政府開発援助(ODA)のセミナーなどでもよく取り上げられている。フィリピンの人口は約1億人で平均年齢は23歳。この生産人口ボリュームの大きさがこれからの経済発展においてはポイントとなる。フィリピン政府発表による長期政策ビジョンや中期計画などからも今後の急激な成長が期待され、例えば韓国を追い越す日もそう遠くないという話も聞こえてくるほどだ。
実際に現地に行ってみると、中心地マカティなどでは東京並みの近代的なビル群に驚かされる。一方、少し外れるとまだ近代化されていないダウンタウンが続いており、今後かなりのスピードで開発が進んでいくことが予想される。日本のODAのフィリピンのインフラへの投資も積極的であり、地下鉄や高速鉄道の設備も進められている。今後、目を見張るような勢いで街も様変わりしていくことだろう。
駅ができる周辺などは当然ながら不動産の価値も急激に高まっていくし、その点は現地の人々も熱い視線を注いでいる。
ショッピングモールなどに足を運ぶと朝から晩まで多くの人で賑わい、旺盛な消費も感じることができる。飲食店やサービス業など、日本からの出店もますます増えていくことだろう。
フィリピンは親日国でもあり、人間的にも魅力あふれる人たちにたくさん出会えた。沖縄でもたくさんのフィリピン人労働者が県経済を支えてくれているが、4月に新しい在留資格である「特定技能」で就労が始まることも含めて、労働力としても注目をしておきたい国の一つである。
フィリピンは、通貨下落が起きにくいことも言われている。債務比率の低さや、家族のために海外に出稼ぎに出て外貨を獲得する人々が、実質的に通貨を下支えしていることなどがその理由だ。
投資先としての新興国という意味では、選択肢は多数あるが、実際に現地の勢いを肌で感じ、フィリピンも確かな選択肢の一つとしてますます目が離せなくなった。