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所得税を抑えながら資産形成をしていく方法

法人設立 入居者に転貸

 今回は築25年以上のアパートの所得税対策と、オーナー家族のための資産形成術についてお伝えする。


 いわゆる築古アパートの場合、借入金も少ないか既に返済を完了している方がほとんどと思われるが、それでもお金が増えないというケースが意外と多いのが現実だ。


 なぜか。借り入れの返済がなくなっても、一方では修繕費や所得税の負担が増大しているからである。特に所得税の存在は大きい。仮に家賃収入に変化がないとしても、築古アパートの場合は減価償却費や支払利息など経費に算入できるものが少なくなっており、結果として所得税が増え手元に残る現金が少なくなっていく。法人名義であればいろいろと経費対策もできるが、個人所有となるとそれも難しい。


 そこで今回は、所得税を抑えながら資産形成をしていく方法を紹介する。まず子供たちで法人を設立し、親が個人で所有している築古アパートをその法人で一括で借り上げ、入居者へ賃貸する。いわゆる転貸という形だ。子供たちの法人はそれまでの家賃収入の約80%で親から借り上げ、従前どおりの家賃で入居者に貸し出す。おおざっぱにいえばその差額の約20%分が法人側の利益となる。


 例えば、家賃収入が年間900万円のアパート。子供たちの法人はこれを600万円で借り上げる。実質的に年間300万円分の資産移転ができていることになる。法人では300万円の利益のうち180万円分は役員である子どもたちに生命保険をかけ、法人税対策(半分の90万円は経費扱いとなる)をしながら退職金をつくっていく。


 子供たちはこの法人から役員報酬を取ったりはせず、それぞれの仕事を続けながら自立して生計を立て、60歳や65歳といった節目に退職金として受け取る計画だ。親の財産を上手に使って将来の老後資金の準備をすることができるため、現金で贈与してしまうよりもより計画性のある資産移転ともいえる。


 実際には親が払う修繕費や固定資産税、法人が負担する管理費や空室損なども加味すると数字はもう少し細かくなる。また、入居者が入れ替わる際にリフォームを行い家賃を市場よりも高くしていくことも効果的だろう。ある程度テクニカルな知識が必要なので、専門家のサポートを受けるといい。


 法人を設立したら、今回紹介した一括借り上げによる対策だけではなく、収益物件の購入や売却などにより会社に資金をつくり、未来の家族のために資産形成をしていくことをお勧めする。


#亀島淳一